大学入試共通テスト~入試をどうするか問題~

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2019.07.28 日経新聞1面のコラム“春秋”より。

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入試問題は難しい。
といっても入学試験に出てくる国語、数学、英語などの問題は世に千差万別。
昨今の大学では学力は二の次三の次みないた選抜方法だって少なくない。
しかし、別の入試問題――入試という制度どうするかという問題は、本当に難問だ。

2020年度に始まる大学入学共通テストをめぐる混乱が深まっている。
国語と数学の「記述式」についての議論も収まらぬ中で、いま噴き出しているのは、英語の民間試験活用に対する反発だ。
試験成績を比較できないから、この方式自体を中止せよとの声もある。
有名な能力テスト「TOEIC」は不参加を決めた。
今秋にはスケジュールが動き出すのに、文科省はどう乗り切るつもりか。

心配して過去を調べてみれば、これが黒歴史の連続だ。

戦前の旧制高校の入試は猫の目のような変転ぶりで、1年で制度が変わったこともある。
終戦後の一時期は謎解きのような「進学適正検査(進適)」が導入され、ほどなく廃止の憂き目をみた。

かくもややこしい「入試をどうするか問題」だが、迷走の根っこには、点取り競争になじんだ社会が「入試に出る問題」に目の色を変えてきた現実があろう。
知識追求にばかり気を取られたり、反動で学力不問選抜に走ったり……。
その後悔が改革の動機には違いないが、答えを書けぬままチャイムが鳴りそうなのである。
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解決すべき問題点が多すぎて、本当に答えを書けぬままチャイムが鳴りそうである。
日経新聞が1面でこんなコラムを掲載して、警鐘を鳴らしている。

思考力を問うために記述問題を導入したい、という意図はわからなくもない。
でもそれは、現状のセンター試験(共通テスト)にはそぐわない。
思考力は大学別の2次試験で問えばいい。
センター試験(共通テスト)が大学入試のための資格試験という位置づけならば、マークシート方式の機械採点が、公平であり合理的でもある。

数学ⅠAと国語に記述問題を採用するらしいが、共通テストは50万人以上が受ける試験。
民間委託してバイトも雇って採点となるでしょうが、採点基準は公平に保たれるのでしょうか?

数学は証明や途中計算の記述があるのかと思いきや、試作問題を見る限りそうでもない。
ある問題では、理由を「頂点のy座標についての不等式を用いて説明せよ」とある。
実に「中途半端に記述を導入してみた」感が満載の設問。

趣旨はあっていても、数学の問題で誤字脱字など数学以外の部分はどう減点するのか?
場合分けの問題で「x=2の時」と書く生徒は結構多いが、これは間違い。
数学の問題では「とき」は漢字ではなくひらがなで書くのが正しい。

数学の場合、定期試験や模試では、こういった数学以外の間違いで減点されることの方が少ないです。
でも国語の場合はそうはいきません。

そもそも国語力がなければ、自己採点すらできないのではないでしょうか?
この記述問題、こう答えたんですが何点になりますか?・・・っていう塾生が多発しそう。
でも明確な採点基準がないと、こちらも答えられない。

英語の民間試験導入も、いろいろと問題がありそうです。
複数の民間試験が混在するので、どれを受けるかで有利不利が出てくるであろうと予想できます。
民間試験を使うならTOEICか英検のように、受験者が多く、後に履歴書にも書けるような試験を採用した方がいいと思います。
これではセンター試験の対策だったのが、英語の新たな民間試験の対策に代わるだけでは?

この新試験、入試に使わない(いや、使いたくても使えない)、または極端に配点を低くする国公立大学が出てきそうな気がします。

東京工業大学は、現状でもセンター試験は足切にしか使用せず、完全な2次試験勝負。

思考力を問いたいのなら、大学別の2次試験で出題すればいい。
2次試験の問題を通して、欲しい学生像を明確にすればよいと思う。
国公立大の医学部医学科では、普通は2次試験に小論文が科せられる。
記述力が知りたいのなら、2次試験で小論文を書かせればいい。
中途半端な記述試験の対策よりも、小論文の練習をした方が社会に出てから役に立つ。

この改革が黒歴史にならぬよう、文科省はきっちり考えたうえで、納得のいく説明をしてほしい。
制度が整うまで新試験は延期して、その間はセンター試験を続けてもよいのではないか。
受験生が新試験の情報や批判に振り回されず、受験勉強に取り組めるように。

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