共通テストの数学ⅠA70点の壁、文章題対策は【数学専門塾での体験談とアドバイス】

西宮北口の数学専門塾インテグラルです。
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共通テストの数学(特に数学Ⅰ・A)について。
数学の試験としてよろしくないと思っていましたが・・・
日経新聞、よくぞ記事として書いてくださった!!

2021.11.9の日本経済新聞コラム「教育 受験考」より

~共通テスト対策 「非数学的」な問題に悩む~


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受験勉強が後半戦に突入した9月、多くの生徒から同じような相談を受けた。
「共テ(大学入学共通テストのこと)で点数が伸ばせない」というのだ。
共テは「暗記中心の試験から思考力を問う試験へ」のかけ声のもと、
大学入試センター試験の後継として今年、スタートした。

2017、18年度に行われた試行調査では会話文や日常のやり取り、複雑な設定などで問題文の量が大幅に増え、中には問題の本筋とは無関係な文章もあって私たちを戸惑わせた。
共通テスト模試ではそうした傾向を踏まえた問題が出る。

苦戦する生徒は多く、どう助言するかも悩ましい。

例えば数学の出来が標準的なA子。
「先生、共テ模試の数学Ⅰ・Aで70点くらいしか取れません」と言う。
センター試験の70点は基礎の理解が不十分であることを意味するが、共テでは違う。
失点の原因は「理解不足」なのか「膨大な文章を読むのに時間がかかる」なのかが特定できない。
A子には「教科の基本を固め、文章量の多い問題を読む訓練を積もう」とアドバイスしたが、後者は数学なのだろうか?

B男の場合はもっと深刻だ。
彼は数学が得意で記述試験の得点は高いが、共テ模試の数学Ⅰ・Aはやはり70点程度。
現代文が苦手で、膨大な文章を読んだり多くの図表類を見たりして答える「非数学的な問題」に苦しんでいるようだ。
「センター試験の過去問なら90点を下回ることはない」とB男。
彼があと2年早く生まれていたら、こんな苦労をしなくても済んだかも、と思ってしまう。

今年の共テの数学(第1日程)は試行調査に比べると文章量や複雑な設定が少なく、平均点も高かった。
反動で来年は「共テっぽい試験」になると予測する関係者も多い。

教科の学習以外の対策が必要な試験は果たして適切か。
私は共テが「教科書を学習すれば得点できるシンプルな試験」になることを強く願っている。
(夢)
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記事の最後の2文。
>>教科の学習以外の対策が必要な試験は果たして適切か。
>>私は共テが「教科書を学習すれば得点できるシンプルな試験」になることを強く願っている。
私も全く同感です。

共テの数学Ⅰ・Aの無駄とも思える文章題は、数学力をはかるのに全く適切でないと感じています。

センター試験は「2次試験の勉強の延長線上にセンター試験があり、センター試験のための対策をさせたくない」というコンセプトがありました。
しかし共テは、どう考えても2次試験の延長線上ではなく、特別な対策が必要です。
センター試験は非常によく練られた良問だったので、共通テストは入試改革という名のもとの、入試問題改悪です。

国語力が必要な「非数学的」な入試問題、私立大学や国公立大学の二次試験などで出題するのは大学の自由であり、そういった受験生が欲しいという大学側のメッセージとも受け取れます。
しかし、国公立大学を目指す受験生全員が受ける共テの数学に関しては、「大学入試のための資格試験」、「高校数学の理解度をはかる試験」という位置づけであれば、非数学的な問題はふさわしくないと思います。

受験生を悩ませてきた東大や京大などの「一行問題」、逆に美しさ感じます。

文章読解力は数学のテストの文章量を増やすことではなく、国語のテストで見るようにしてほしいです。
個人的な予想ですが、「非数学的な問題」は数年で元のセンター試験の形式に戻ると思います。
センター試験は本当によく受験生の数学力(計算力や公式を使いこなす力、処理能力など)と得点が相関していましたから。

共テでは受験生の数学力と得点が相関していません。

数学のテストにおいては、(思考力を問う)=(文章量を多く読ませる)という方針が間違っていると思います。

難関大の記述試験では、短くても思考力をはかれる良問が存在します。

例えば、東大や京大などの難関大の一行問題ですと、
2003年の東大の入試問題、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ。」
2006年の京大の入試問題、「tan1°は有理数か。」
2013年の一橋大の入試問題、「eπとπeの大小を比較せよ。」(eのパイ乗とパイのe乗の大小を比較せよ、です。)

いずれもこの一行で大問1題です。
問題分は非常に短いですが、方針をたてるのに様々な試行錯誤が必要で、思考力を問うことができる非常に良問です。

話がそれましたが、記事の内容に戻ります。
インテグラルの塾生からも、本当に同じような相談を受けます。

塾生
塾生

数学Ⅰ・Aの文章題に時間がかかります

塾生
塾生B

センター試験の過去問なら高得点がとれるのに、共テ模試となると70点くらいしか取れません

などなど、本当に記事にある通り。
記事にある数学Ⅰ・Aで70点という数字、私の肌で感じる感覚とと完全に一致します。
数学が得意な生徒でも、本当にこれくらいの得点率に収束します。

そして、そういった受験生に対するアドバイスも非常に難しいです。
新しい試験なので過去問も少ないし、模試や予想問題も精度が低い。
センター試験の過去問は、傾向が違いすぎて使い物にならない。

何をやらせれば、無駄に文章量の多い「非数学的な問題」の対策になるのか?

ベストな解決策を見つけるのは難しいと思っていましたが、他の塾・予備校の先生も同じことを思っていらっしゃったようですね。
受験生の皆さん、共テ模試では高3の夏くらいで「数学Ⅰ・Aが70点」は標準的(6割あれば過度な心配は不要)です。
センター試験であれば高3の夏くらいには80~90%が普通でしたが、この時期に共テ模試で80%ならば上出来です。

私は塾生に
「読むのに時間がかかる文章題は後に回して、センター試験に近い計算だけで解ける問題を先にやり、残った時間で文章題を考える」
と時間配分のアドバイスをすることが多いです。
あとは「太郎くんと花子さんの会話文は無意味なので読み飛ばして、時間を短縮する」など。
基礎が十分に出来上がっている受験生の場合は、解くのに必要な条件だけを拾って読むといった助言もできます。

でもこれって、戦術的なアドバイスであって、数学力を上げるための指導なのか?
入試で1点でも多く得点をとるためのアドバイスとしては、間違いないではと思いますが。

2022.09.26追記
参考資料
2022年の共通テスト数学ⅠA(平均点37.96)、ここから見れます。
https://www.dnc.ac.jp/albums/abhttps://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kakomondai/r4/r4_honshiken_mondai.htmlm.php?f=abm00041438.pdf&n=2022_ow_19_sugaku1A.pdf
大学入試センターのホームページより
数学のテストなのに20ページ以上ある、閲覧注意レベルです(笑)

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