医師 増える海外医学部卒

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以前、「医学部、東欧が『お得』」という記事を紹介しました。
医学部、東欧が『お得』

さらに人気は高まっているようですね。

2020.10.27 日本経済新聞 「真相深層『医師 増える海外医学部卒』」
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■東欧など、国内私大より学費安く

海外の医学部に進学する日本人学生が増えている。
卒業後に日本の医師免許を取得できるルートが広がり、私大医学部に比べ総費用が少なく済む国もあるためだ。
外国人の取得者も増え、海外大卒の医師国家試験合格者は国内の医学部1校の入学者に相当する。
国内の卒業者を前提にしてきた医療政策を揺さぶる。

(中略)

2010年代に入って海外大卒の(医師国家試験)合格者は増え始め、19年は97人と5年前の1.6倍に増えた。
国内約80校の医学部1校分の入学者にあたり、半数を日本人が占める。

目立つのがハンガリーやチェコなど東欧の医学部の卒業生だ。
物価が安く、学費と生活費を合わせた総費用で2千万前後と、2千万~4千万円が相場の日本に私大医学部の学費より安い。

(中略)

外国人の試験合格者も増えた。
中国と韓国が目立つ。
厚生労働省は要因を「分からない」(試験免許室)とするが、母国の医学部を卒業した外国人に受験してもらい研修医に招く動きもある。

(中略)

こうした状況を医療界は警戒する。
08年度以降、医師不足の地域をなくすため医学部定員を臨時的に増やす形で医師数を増員してきた。
だが課題は解消されつつあるとして22年度以降は定員減員を検討する方向だ。
海外大卒の医師が増え続ければ「医師余り」が起きかねないとの見方がある。

(中略)

医師国家試験の合格率は90%を超す。
医学部入学後にふるい落とす欧米とは対照的で、日本では入学が事実上、医師へのゴールだ。
医師が増えすぎないよう国は医学部新設を長年抑え、この40年近くで開設されたのは
東北医科薬科大(16年)と国際医療福祉大(17年)の2校にとどまる。

受験競争は激しく、18年には入試で女性や浪人生を不利益に取り扱う不正が相次ぎ発覚。
不透明さが漂う。
海外大卒の医師増加はこうした医学部のあり方にも一石を投じる。
(小西雄介)
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2019年の海外大卒の医師国家試験合格者は97人。
その数、国内の医学部1校分に相当するとのこと。
無視できない数字ですね。

ある進学校には、「海外の医学部受験コース」も存在し、毎年何名かの海外医学部合格者を出しています。
私も最近は医学部志望の生徒に「国内は難しいけど、海外という選択肢もあるよ」と言うようにしています。
ただし、まだ海外の医学部を受験した塾生はいませんが・・・

国内の医学部受験は本当に狭き門。
国公立大は、どこを受けても東大か京大の医学部以外と同等レベルかそれ以上。
私立は若干入りやすくなりますが、それでも偏差値65以上で、早稲田か慶應(医学部以外)より難しい。
そのうえ学費が、凄い額。

日本の医師国家試験合格率は90%を超え、国内では医学部への入学が事実上、医師へのゴールなのは確かです。
海外大卒の合格者は増えてはいますが、合格率ではそこまで高くないようです。

国も医師余りを心配するなら、海外のように進級や卒業のハードルを上げ、医学部合格後にふるい落とすようにしてはどうですかね。
そもそも、現行の制度で国が医師の数を調整できる術は「国内の大学の医学部の定員数」しかありません。
だから、国内では医学部合格が事実上、医師へのゴールとなる訳です。

この持ち駒の少なさこそが問題で、そこを解決できるような制度を検討すべきだと思っています。

精神科医の泉基樹さんの著書「精神科医がうつ病になった」の中に、以下のような記述があります。
「あとは無味乾燥な卒業試験と、どう考えても良い医師が育ちそうにもない国家試験をクリアするだけだった。僕はそれらをギリギリで通過した。」
医学部入学がゴールとなっている現状と、問題点が伝わってきます。

今後も海外ルートの医師は増えるでしょう。
現状は国内の医学部1校分ですが、将来は2校~3校分、いやもっと増えるかもしれません。
そのときに国内の大学の医学部の定員数の調整だけでは、対応できなくなります。
国内の医学部を閉鎖するという訳にもいかないでしょうし。
定員を削減すると、ただでさえ狭き門の医学部医学科がさらに入りにくくなります。
そうすると海外ルートがさらに増える、国にとっては医師数の調整ができなくなる悪循環が生じる可能性も。

海外大から日本の医師免許を取得するルートを広げるのは、志の高い若者にチャンスを与えるいい取り組みだと思います。
国内の医学部の制度の改革も検討して、医学部志望の受験生の選択肢が増えるようにしてほしいですね。

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